2011年5月12日 (木)

Devil Mountain Double: Whipping the Devil (後編)

(前編はここ)

Start-RS#1, Mt. Diablo Summit (Mile19.6/31.5km地点)

5:03am. まだ暗い中,San RamonのMarriottをスタート.風が結構強いのに気づく.路肩には折れた大きな木の枝が散乱.ふと見上げるとMt. Diabloの上,東の空に新月になる寸前の細い月が出てます.

ぴったり30分でMt. Diablo Scenic Driveに到着.登りの始まり.

South Gateまでは,南側斜面を巻いて登る見晴らしのいい道.見上げると,かなり先にテールライトの列.振り返れば,白いフロントライトの列が連なってます.どうやら2番手集団の先頭あたりにいるらしい.先はまだ長いので,ペースを抑えないと.

South Gateを超えると,吹き飛ばされそうな強風.私と同じBMC SLC01の白に乗っている方に遭遇.Williamという.LAからわざわざ来たらしい.私と同じくDMD初挑戦.しばらく彼と話をしながら走り,6:51amにMt. Diablo頂上のRest Stop #1に到達.麓から1h20mほどかかった計算.

Mt. Diablo summit

Rob

このRSでボランティアをしていた,San Francisco RandonneursのRBAであるRobさんに"Masa!"と声をかけられる.RBAという大仕事しつつ,さらに様々なライドのボランティアをされていて,本当に頭が下がります.登りの最後から少し空腹を感じていたので,バナナ,オレンジ,ベーグル等食べられるだけ詰め込んで,5分ほどで出発.

RS#1-RS#2, Morgan Territory (Mile51.8/31.5km地点)

強風にハンドルを取られないよう,慎重に下ってNorth Gateへ.北東の風なので,Claytonまでは向かい風,その先は追い風でペースを上げる.Mt. Tamの裏側,Morgan Territoryを調子よく登っていると,後ろから大音量の音楽.振り返るとSAGカー.景気付けに音楽を流してくれてるらしい.気が紛れて嬉しい.

8:55amにRS2到着.

Rest Stop #2, Morgan Territory (Mile 51.8)

RS#2-RS#3, Mines Rd (Mile90.9/146km地点)

この先は"Plunge"と呼ばれる急激な下り.見晴らしのいい緑の牧草地の山を一気に下る絶景区間.それを超えると,Livermoreの市街の格子状の道.東を向けば向かい風,南を向けば追い風.追い風区間は24mphほど出て気分良い.2-3名で編隊を組んで,Alamonto Pass通過.

Livermoreのほぼ東端に達し,ルートが南西方向に向きを変えるMidway Rdで,SF RandonneursのVidasに遭遇.昨年の600kmの往路,彼に無理して付いて行って,後半ボロボロになってしまった経験あり.しばらく喋りながら一緒に走っていると「今日はどんなペースでいくの?」と聞かれる.「完走することが目標で,計算では18-19時間くらいかなぁ」と言うと,

「まさか.このペースなら16時間切るよ.」とVidas.

「それは無理.飛ばしすぎてるのかも」

彼は2008年, 2009年と過去2回完走していて,それぞれ17時間台,16時間台.今回は16時間切りが目標らしい.絶対に付いて行けないと思うので,ペース合わなかったら置いていってね,と言ってとりあえず一緒に走る.

Patterson Passへ. 「あれ,もう終わり?」と思った次の瞬間,目の前に広がるこの風景.

"Oh-my-Gosh" summit

通称"Oh-My-Gosh" Summit.

今日はこの辺りは,Wente Road Raceという別の自転車ロードレースも開催されていて,ところどころコースが交錯.Road Raceの交通整理をやっているボランティアから,Vidasと私が,DMDの16, 17番目の通過者と教えてもらう.ちょっとマズイ.「そんなに急いでどうする?」

とはいえ,本当に速い人は我々より1時間後にスタートし,そろそろ追いついてくるはずなんで,16, 17番目というのは本当のランキングとは異なる.それでも30-40番目くらいにはいるんじゃないかなぁ.

Vidasによれば,16時間台でゴールした2年前は,Patterson Passのはるか手前で,6時出発の先頭グループに抜かれていたらしく,今日はいい調子らしい.私はいよいよ心配になって来る.

RS#3に6時出発の先頭グループと同時に到着.時刻は11:17am. 彼らは自転車にまたがったままで一斉にドリンクのタンクに殺到.さっさと補給して再出発.F1のピットストップを見ている感じ.このDMDはCalifornia Triple Crownステージレース(3戦ある)の第1戦なのもあって,彼らは本気のレースをやってます.

RS#3-RS#4, Junction Cafe (Mile115.6/186.0km地点)

RS#3のCutoff(13:00)には1時間半以上余裕を残して再スタート.ここから長い登り区間.Vidasには,私がもし遅れたら,16時間切りに差し障りの無いように,そのまま行ってもらうよう言っておきます.

最初7マイルほどで一気に標高2000ftまで登って,あとはだらだらと登り,標高2900ft, 2800ftのダブルピークを超えてJunctionへ.結局VidasにdropされることなくJunction Cafeに13:10に到着.

Junction Cafeでは,好きなものを注文してOK. たまたま出来立ての照り焼きチキンバーガーがあったのでそれを食べつつ,行儀が悪いですが,足を心臓より持ち上げた姿勢で休息.

Teriyaki Chiken Burger at Junction Cafe rest stop

結局15分ほど,この日最大の休憩になり,Vidasより少し遅れて再出発.

RS#4-RS#5, Crothers Rd (Mile150.9/242.8km地点)

足上げ姿勢が効いたのか,足は新品のようにすこぶる調子が良い.一気に走って,Mt. Ham頂上への激坂区間に突入.ここから平均勾配8.3%が4.3mileの長きに渡って続く坂.15%以上が延々と続く箇所があり,次のSierra Rdと並んでDMDの最大の難所の一つ.

この坂をやっつけるコツがあるとしたら,とにかく何も考えないこと.心頭滅却すれば.. というアレ.が,この坂,道路のど真ん中にデカデカと頂上迄のマイル数がペイントされており,サイクリストを絶望の縁に叩き落としてくれます.サディストが作ったとしか思えない坂.

頂上まで残り1マイルあたりで,先に出発していたVidasを発見.ほぼ頂上で追いついて,一緒に下ります.Mt. Ham頂上通過は15:06.

RS#5は,ふもと近くのボランティアの方の家.16:09に到着.スープやカップヌードルもありましたが,Sierraに備えてぐっと我慢.

RS#5-RS#6, Suntol Train Station (Mile181.2/291.6km地点)

いよいよDMD最大の難所,Sierra Rdへ.平均勾配9.4%が3.4mile続く激坂.さら足でもイヤな坂なのに,今日はもう150mile,16000ftくらい登った後.これが最後にして最大の難所.

少し先にRS5を出ていたVidasを見失わない程度に,と思ったものの,どんどん差が広がり,ついにdropされてしまう.思った以上に厳しく,全然ペダルが回らない.

なんとか半分以上登って「やっぱSierraはバケモノ」との認識を新たにしたところで,リアのギアが何ともう1枚残ってた事に気づく.アホか!28Tがあるのに,24Tしか使ってない... 一人罰ゲームですか.

24T->28Tの差は大きく(15%くらい違うんだから!),ずいぶん楽になって,残り1/2を登り切って頂上へ.

頂上にcheck-pointがあると思ってたら,実はかなり先,下りが始まる区間の手前にありました.ヤギが飼われている,通称 "Pet-the-Goat" チェックポイント.到着は17:24,

"Pet the Goat" checkpoint

伝統に則って,私もヤギを可愛がってきました.ヤギは嫌がってる感じでしたが..

Goat and Me

ここでも,椅子に深々と腰掛け,足上げ姿勢でコーラを飲んで休んでいたら,ボランティアをしていたKenに「リラックスし過ぎ.再出発出来なくなっちゃうよ」と笑われる.

ここからさらに1時間半,Calaverasを超えて,Suntolのチェックポイントに付いたのは18:47.

最後の補給.バナナを食べて,再スタートしようとしたら,誰かが「ホットドッグ」「味噌汁」を所望してるのが聞こえた.なんと素晴らしい.私も少し落ち着いてホットドックを食べる事にしする.椅子に腰掛け,ホットドッグを食べつつ,妻に「意外と早くゴールしそう」と連絡を入れる.

RS#6-Goal, Marriott San Ramon (Mile206.0/331.5km)

最後の25マイル.Palomares RdとNorris Canyonの1000ftほどのピークを2つ超えるだけ.

スタートしてしばらくして日没を迎え,夜間装備にチェンジ.

Palomaresの途中,朝Mt. Diabloの登りであった,BMC乗りのWilliamが声をかけて抜いていった.ペースが落ちてるのか,さらに2名のライダーに抜かれる.やる気を失い気味の所,GPSのEAT(到着予想時刻)を確認すると,Vidasが言ったとおり16時間切りが可能であることを知る.俄然やる気が出てきて,さっきの2名のライダーをパス.下りで2名に抜かれ,その後抜きつ抜かれつしつつ,最後の坂へ.

2名のうちの一人,Jeoffがここから猛烈に引いてくれて,Crow Canyon Rdを駆け上がり,Norris Canyonへ.赤いテールライトが前方に揺らめき,夜間ブルベの趣.最後にJeoffが「もうBonkしたってゴール出来る」と飛び出し,私も「ここまで来たら潰れても大丈夫」と全力疾走で頂上を突破.

はやるキモチを押さえて,一気にSan Ramonへ下り,Marriottが見えてきた時には,ちょっとぐっと来る物がありました.

そして..

ゴールは20:44. 公式タイムは15時間41分.念願のDMD完走.16時間切りには我ながらびっくり.

私のGPSで総獲得標高は20753ft(6325m)でした.

ゴールにはVidasもいて,これまた伝統のラザニアを食べつつ今日を振り返ります.

Rider's dinner at the finish

VidasはPet-the-Goatのチェックポイントの後,さらに調子が上がり,15時間切りの可能性もあったらしいのですが,最後の最後でパンクにあって断念したらしい.さっき引いてくれたJeoffが,Bib番号1番だったので,理由を聞いてみると,昨年のTom Miltonの心臓発作の現場に居合わせ,自分の完走を捨てて,救助に尽くした3名のライダーの一人だったようです.素晴らしいライダー達と走れたDMDでした.

いま現在出ているPreliminaryのリザルトでは,完走191名.私のタイムだとちょうど前から1/4ほどでした.よくDMDの完走時間はTerrible Twoに2時間加えたくらい,と言うらしいですが,それよりはかなり短い.この2年で少しは強くなったのだとすると嬉しいですが..

走行距離: 203.5mile
心拍(avg/max): 147/217(?) bpm
平均時速: 13.9mph
消費カロリ: 7818kcal
獲得標高(Garmin): 20753ft(6325m)

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Devil Mountain Double: Whipping the Devil (前編)

(昨年10月以来,半年ぶりの更新.自転車には以前にも増して乗ってます)

4/29(Sat)にDevil Mountain Double Century(DMD)に参加.このダブルセンチュリーは,獲得標高が20000ft超(6100m超)と際立って大きく,カリフォルニアで(おそらく北米全体でも),最も過酷なダブルの1つ.SF Bay Areaで最も標高が高い2つの山,Mt. Diablo(Elev. 3817ft=1163m)と,Mt. Hamilton(Elev. 4209ft=1282m)を登り,激坂Sierra Rdを含むルート.

ルート: http://ridewithgps.com/routes/392419

Devil Mountain Doubleの名はMt. Diabloからスタート事におそらく由来.このダブルをやっつける事を,"Whip the Devil"と呼ぶらしい.どうやら欧米では,Devilはムチを持ってるイメージらしく(フォークだと思ってたが),逆にDevilをムチ打ってやるという事か.

その存在を知って以来,「いつかは」と思って来た念願のダブル.昨年,「完走は無理でも出てみるか」と思ったものの,出張と重なり断念.昨年のEverest Challenge(2日で29035ft登るステージレース)の完走で,少々自信をつけ,いよいよ挑戦.

これまで,私の1日の最大獲得標高は約16000ft(約4900m).過去,一番厳しかったダブルは,2年前に走ったTerrible Twoですが,その獲得標高が16000ft.これ以上の標高差は練習でさえ走ったことのない未体験ゾーン.DMDはそれにさらに4000ftの追加.近所でいうと,Page Millの登りのちょうど2本分(和田峠3.3本分)の追加.ちょっと考えたくもない感じ.

ただ,Terrible Twoと違い,Cutoff時間がそれほど厳しくないのが救い.2箇所あるCutoffのうち,厳しいのは1つ目で,「スタート8時間後(13:00)までにRest Stop#3を出発する事」というもの.Rest Stop #3までが獲得標高10000ft(3048m),距離91mile(146km).Terrible Twoのように「慌てて走る」というほどではなさそう.

このCutoffさえ超えれば,走り続けさえすればゴール可能.最後のRest Stopに至っては,「最終ライダーが通過するまでオープンしつづける」というありがたいサポート.その時間まで付き合うボランティアの方には本当に頭が下がります.過去には25時間10分かかってゴールした人もいるそうです.

正月明けからDMDを意識して練習してきたものの,獲得標高16000ft/日どころか,13000ft/日程度のを3回,10000ft/日を2回やっただけ.しかも,3月は雨が多くてほとんど乗ってないというていたらくで,大変心細い状況.こんな甘い準備で完走できるんかいな.

-*-*- 

前日夜,10時過ぎにスタート地点のSan RamonのMarriottホテルへチェックイン.11時前には就寝.

当日は3時起床.4時にホテルのカンファレンスルームに行ってビブ番号,キューシートを受け取り,スタートのサインイン.部屋に戻ってビブ番号をつけ,少し落ち着いてから,4時半にスタート地点であるホテル正面玄関へ.

DMD Start

ブルベの所属クラブ,San Francisco Randonneurs(SFR)からも沢山走るということなので,私もSFRのジャージを着てます.

Img_0297(Photo by Brian Chun)

レースディレクターのScottさんによるPre-ride meeting.

Pre-ride meeting

Meetingの最後にmoment of silence.昨年,このDMDの途中に心臓発作で亡くなられた,Selle-AnatomicaのTom Miltonさん,先日のSan Diegoの600kmブルベ中に引き逃げ事故に遭って亡くなられたJim Swarzmanさんに黙祷を捧げます.

Jim Stwartzmanさんは著名なウルトラサイクリスト.轢逃げ犯人(既に逮捕された)は過去にも自転車乗りをひき殺した事のある人物で,故意にやったという疑いさえあり.一緒に走っていたフィアンセの目の前の事故で,あまりにも痛ましい.Tom Miltonさんとは,昨年3月のSan Francisco 400kmブルベで,後半の200kmをご一緒した事があり,そのすぐ後の訃報だったので大変ショックでした.日本にも長く住んでおられ,その頃の話を聞いたのを思い出します.. 

そして5:03am. いよいよスタート.

後編につづく

 

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2010年10月15日 (金)

コロラド坂巡り: Independence Pass

4日目(9/4).  コロラド最終日.Aspenから,ロッキー山脈のContinental Divide上にある峠,Independence Pass(標高12,095ft/3,687m)まで登ります.

ルートとプロファイル: http://ridewithgps.com/routes/202036

例の本("The Complete Guide to Climbing (BY BIKE)")によると..

  • 獲得標高: 3,991ft (m)
  • 距離: 15.9mile (km)
  • 勾配(avg/max): 4.7%/8%
  • レーティング: カテゴリ1級
  • 頂上標高: 12,095ft/3,687m

同本のランキングでは,この峠は標高の高さで4位,"Most Scenic/Spectacular Climbs”の10個の中にも選ばれていました(ちなみに,標高1位はもちろんMt. Evans, 2位が2日目に登ったTrail Ridge Road.1位から11位までをコロラド州の坂が独占).

前日夜は最寄りの町のAspenに泊まりたかったですが,高級リゾート地とあって,宿泊費が驚くほど高い!そのため,車で30分ほど手前のCarbonvilleという町のDays Innに宿泊.我々夫婦にとって,宿はMotel 6が「標準」でして,Days Innは既に「高級」な部類に入ります.

さて当日.

泊まっていたDays Innのロビーで,自転車ウェアを着て朝食をとっていると,みんな「どこを走るの?」と声をかけてくれます.オートバイでロードトリップ中のライダーが非常に多い.少し話してみると,今日は私と同じくIndependence Passを越える人がほとんどのようです.

例の本が選んだスタート地点へ車で移動.雰囲気の良いAspenの市街を抜けた少し先,このSmokey Bearの看板からスタート.9:20am.

IMG_0599

最初は何の特徴もない林の中の道.どこが"Most Scenic/Spectacular Climb"なんだろう?と思ってましたが,標高を上げ,視界が開けてくると,ナルホドと思わせる景色に変化.

IMG_0601

岩場にいたマーモット二匹.ロミオとジュリエット風.

Marmots act on "Romeo and Juliet"

特別きつい坂でもないので,景色を楽しみつつ登坂.

IMG_0604

↓の写真の中央右側の灰色の山がおそらくピーク.

IMG_0616

このルートの白眉は最後に登場.湿原とその縁を巻いて登る道の景色が素晴らしい.ここ数日は岩とAlpine Tundraの景色の中を走っていたので,ひときわ綺麗に感じるのかも.

IMG_0630

IMG_0634

この最後の坂を登り切ると,あとは緩やかになってゴール.

Independence Pass, 12,095ft. 3,687m. "Continental Divide"の看板.

DSC_0420

到着は11:20am.この登りもポピュラーなサイクリングコースらしく,峠には沢山の自転車乗りがいました.反対側(西側)もなかなか景色が良いらしい.

走行距離: 15.6mile
平均速度: 7.9mph
心拍(avg/max): 142/154bpm
消費カロリー: 987kcal
獲得標高: 3740ft

-- エピローグ --

以上でコロラド坂巡りは終了.

この日は夕方までにUtahのMoabへ移動.Arches NPのDelicate Archの日没に間に合いました.

翌日はUtahのCapitol Reef NPとNevadaのBig Basin NPに寄り道.

Capitol Reef NP:

DSC_0537

Big Basin NP (Dessert view from Wheeler Peak):

Dessert View from Wheeler Peak (Great Basin NP)

最後にNevadaの砂漠の真ん中のElyという町でもう1泊してベイエリアへ帰還.

今回の旅行の全行程.実走で3,200mile(5,150km)ほどありました.


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2010年10月13日 (水)

コロラド坂巡り: Mt. Evans

3日目(9/3).いよいよMt. Evansに挑戦.

Denverの西,I-70沿いの小さな町,Idaho Springsへ移動.IdahoとついてますがColorado州です.


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コロラド州道130号(CO130)に入ってすぐにある,Clear Creek Ranger Stationで出発準備.トイレの入り口に,自転車で登る人ための専用駐車場の案内図が張ってあるのに驚く.この駐車場(20台ほどは停められそう)では溢れるほどの人数が同時に登るという事か? こんな所を登るのはよほどのハードコアな人と思ってましたが,どうもそうでも無いらしい.パークレンジャーによれば,ここで毎年自転車レースもあるとか..

例の本でプロファイルを最終チェック中. 標高4300mの気候はちょっと想像がつかず,長袖ジャージにレッグウォーマ,それに薄手のベストとウィンドブレーカを念のため持参.

Checking the route profile in the bible, "The Complete Guide to Climbing (BY BIKE)"

コースデータ("The Complete Guide to Climbing (BY BIKE)"より):

  • 獲得標高: 6,590ft (2009m)
  • 距離: 27.8mile (44.7km)
  • 勾配(avg/max): 4.5%/10%
  • Rating: 超級
  • 頂上標高: 14,130ft (4,307m)

コース&プロファイル: http://ridewithgps.com/routes/200793

コースの俯瞰図.

Mtevansgoogleearth02

図の左上がスタートのIdaho Spring(7526ft/2294m). Clear Creek沿いを走った後,スイッチバックで標高を上げ,ほぼ中間点のEcho Lake(10600ft/3230m)に到達.ここからCO5へ右折して,スイッチバック尾根へ駆け上がり,森林限界を突破.その後は尾根伝いを走り,ほぼ富士山と同じ標高のSummit Lakeへ(12380ft/3777m).さらに標高を上げ,最後は無数のスイッチバックをこなし,頂上の14,130ft(4,307m)へと到達します.

-*-*-

朝9時.Ranger Stationから登坂開始.Mt. Evans Road "Open"となってますが,訪れた週の週末には山頂付近の5mileがクローズ.夏の限られた期間しか開いてません.

Start of the Climb (elev. 7540ft)

Echo Lakeまでは森林帯の道.Clear Creekを離れて,スイッチバックで高度を上げると,遙か彼方にMt. Evans山頂が見えてきた(下の写真の中央).

IMG_0481

1h15mほどでEcho Lakeに到着.標高10,600 ft (3,230 m).妻に落ちあって水を補給.ここに車を停めてスタートする自転車乗りも多数.

Echo Lake

Echo Lakeのすぐ先でCO5へと右折.

Turn to Mt. Evans

"North America's Highest Auto Road"の看板.荒くれ者風,のオートバイ乗り達が,「自転車で登るとはスゲエ!」的な事を言って写真を撮ってくれた.彼らはこの先でも抜き際に応援してくれたりして,見た目と違ってなかなかフレンドリー.

Continue on Mt. Evans Climb

すぐに料金所あり.自転車も$3必要.国立公園の年間パスでも入れます.

Fee Station

頂上は37F(3℃),Wind Chill 19F(-7℃)にギョッとする.大丈夫かね.

Weather forecast at the summit

スイッチバックで高度を上げ,さっきのEcho Lakeを上から見下ろすポイントに到達.このあたりで森林限界を突破.

Looking down Echo Lake

このあたりから,Alpine Tundraと灰色の砂・岩山の景色.見晴らしは最高だが,果てしなく続く登り.勾配は大した事ないけれども..

IMG_0526

DSC_0273

下の写真の中央に見えてるのがMt. Evans. 写真左から中央に向かって伸びる道は.中央あたりで右カーブして奥へ回り込んでいるらしい.Mt. Evansの山肌にズバッと斜めに切里込まれた道も見えるが,あれに繋がってるということか... ここまで先が見通せるのはちょっと萎える.

IMG_0535

その「右カーブして奥へ回り込んでる所」にあったのがSummit Lake.標高12380ft/3773m. ほぼ富士山山頂と同じ標高.この時点で12:15pm.

IMG_0550

これまでの乾燥しきった景色から打って変わって,湖と湿地帯が広がっていて,その落差からか非常に綺麗.こんな標高でも草が茂って,花が咲いていたのにはびっくり.

IMG_0554

見上げるとMt. Evans頂上.かなり現実的な距離になってきた.

IMG_0552

さっき見えていた山肌をズバッと引かれた道を駆け上がる.この区間,勾配はキツく,標高も4000mを突破し,いよいよ本気で空気が薄いのを感じる.

IMG_0559

その先は下のようなスイッチバックが無数に続く.

IMG_0570

頂上にはドームがあるらしい..

IMG_0575

Summit Lakeから50分ほど.13時9分にようやくゴール!Idaho Springsから約4時間かかった計算.頭はクラクラ.この空気の薄さでのヒルクライムはさすがにきつかった.

Finish!

頂上手前で抜いていった自転車乗り2名.彼らはここは何度か登ってるらしい.昨日のTrail Ridge Rdと同様,自転車ラックがあるのが笑える.

Bicycle rack at the summit

DSC_0359

高山病,雷,低体温症に注意のサイン.後に知ったが,この高度(14000ft以上)を飛ぶ,与圧が無い飛行機のクルーは,常時酸素を吸う事を義務付けられてる.そんな高度. そりゃクラクラするはず.

IMG_0593

さらに100ftほど岩山を歩いて登ると本当の頂上.14258ft.

Mt. Evans Summit (Elev. 14258 feet above the sea).

北西方向.14000ft越えのサミットがいくつか見える.

DSC_0384

さっき通ってきたSummit Lake.

DSC_0387

南東方向.下からも見えたあのドームはDenver大学の天文台(Mayer-Womble Observatory)でした.

View from the summit

登り途中に写真を撮る余裕は無かったんですが,道沿いにはMountain Goatが沢山いました.のんびり道を渡ってるのが見られて妻は大喜び.

Mountain Goat

帰路は,同僚が「高々度だと空気抵抗が低く,実際それが分かる」と言ってたのを試したく,Summit Lakeまで下ったものの,結果は「全然ワカラン」.Summit Lakeより先は妻の車に回収されて下りました.

念願だったMt. Evansを制覇.これでこの旅のクライマックスも終了.

走行距離: 27mile
平均速度: 7.4mph
心拍(avg/max): 143/156bpm (低すぎるw)
消費カロリ: 1863kcal
獲得標高: 6240ft

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