« Mt. Diablo | トップページ | The Terrible Two (後編) »

2009年6月23日 (火)

The Terrible Two (前編)

自転車乗りがTTといえば,普通はTime Trialの事.でもダブルセンチュリーのTTといえば,それは "Terrible Two".距離200mile(320km),獲得標高16000ft(4876m),気温も例年100°F(37.7℃)近くになるという,文字通りterribleなダブルセンチュリー.Terrible Twoのロゴは死神になってます(笑).

主催はSanta Rosa Cycling Club.今年で32年目という歴史があるダブル.毎年,一年で最も日が長い夏至の前後を選んで開催され,夜明け直後の朝5:30amに一斉スタートし,日没約1時間後の10:00pmにカットオフです (走れるのは16時間半).10:00pmまでの完走者には"I DID IT!"と書かれたTシャツが与えられます.これを過ぎても11:00pm(17時間半)まではofficial finisher扱いで,Triple Crownにもカウントされます.

歴代の完走者の名前と完走タイムがココに記録されてます.ここ最近のを見ると,完走率は通常60%台.気温が低かった2002年で過去最高の完走率80%.気温が高い年(2004年)は55%しかありません.今年は気温が低く,高完走率が予想されますが,それでもカットオフ時間との戦い.TTと略して呼ぶのはTime Trialとかけた洒落な気もして来ました.

11:00pmまでにゴール出来ない場合,SAGカーによる回収が待ってます. 時間さえあればゴールまで走りきれるのに,SAGられてゴールまで運ばれるのは想像するだに辛いです.せめて走りきる事さえ許してもらえれば少しは気が晴れるのに...と思いますが運営上仕方ないのでしょう.

ひるがえって,今の自分の完走の可能性を考えるとあまりに心許ない.先日の140mile, 16000ftの坂練習にかかった時間が13時間半近く.TTはこれより60mile長いですが,距離が伸びた分,坂が緩くなる訳ではなく(実際,TTの方が登り区間の勾配は遙かにキツいと思う),単に平地区間で距離が増えてるだけです.という事は,あのスピードでは完走はおろか11時のSAG回収をギリギリ逃れられるかどうかというレベル.何でこんなのにエントリーしたんだろう...

坂練習での平均速度をベースに「少し無理したとして」という仮定で,各rest stop間の目標時間を算出.各rest stop(6箇所)に10分間滞在するとして(これでも結構短い),全部を足し合わせると,ゴール時間は9:56pm.ひえー.cut-offまで4分しか余裕が無い! でも他に策がある訳でもなく,とりあえずこのペースで行くことにし,各rest stopの目標到着時刻,各峠のスタートからのマイレージ,獲得標高を表にしてハンドルバーに付けておきます.

1週間前から大量に水分を取ることと,睡眠時間を確保することを心がけます.前日夕方にSanta Rosaに移動して宿泊.妻もCalistogaあたりの観光を兼ねて付いて来てくれました.

当日.3:30am起床.5:00前にスタート地点であるSebaspolのAnaly High Schoolへ移動.高校の食堂らしきところにNumber bibとキューシートが並べてあり,これを受け取る事でcheck-inとなります.写真のオレンジ色のスティックには電解質の錠剤が詰め込まれてました.

Analy High School

キューシートで各rest stopの締め切り時間を確認.最初のCalistogaのrest stopへの到着目標を9:00amに設定していましたが,何と!キューシートではopen-close時刻は7:00-9:30am.9:00amの到着ではほとんどカットオフです.「少し無理したとして」くらいじゃダメで,ギリギリ限界まで頑張らないとダメという事.ちょっとクラクラしてきます.無謀な挑戦だったか..

Drop bag置き場.オニギリをlunch stopへ,ヘッドライトを最後のrest stopへ送る事にします.

Drop bags

周囲を見回すと,引き締まった体格のいかにも速そうな人ばかり.場違い感も感じつつ,スタートラインに並びます.総勢221台.この中で何台がゴールに到達出来るのでしょう.. 伝統になっているという,Billさんのスピーチがあり,いよいよスタートです.

pre-ride briefing

後編に続く

|

« Mt. Diablo | トップページ | The Terrible Two (後編) »

コメント

1週間前から大量に水分を取ったとのことですが、これはどういう目的ですか?

投稿: ksobue | 2009年6月25日 (木) 01時07分

100°Fを越える可能性も一応あったので「体の水分量を増やすため」です. 科学的に可能なのかどうかは分かりませんが:-)
猛暑のDavid Doubleを完走した方が(後編に出てくるRobですが),成功の秘訣は「1週間前からの睡眠と水分の摂取だった」と言っていたので.難点は「トイレが近くなる」です(笑).


投稿: sagano | 2009年6月25日 (木) 08時59分

身体の中の水分は
血管内<-->血管外かつ細胞外<-->細胞内
と移動します。
運動のパフォーマンスには血管内の水分量がダイレクトに効いてきます(血管内に十分液体があれば心臓は楽に血液を送れる)が、生命体にとっては細胞内の水分量が一番重要なので、左から右には水分は容易に移動します。ですので身体が脱水気味だと、競技の初っ端からパフォーマンスが悪くなります。
一方、各コンパートメントが保持出来る水分量は、存在する塩分で規定されます。いわゆる「むくんでる」という状態は、心臓や腎臓に基礎疾患が無い人の場合は、「血管外かつ細胞外」に塩分と水分が過剰に溜まっている状態です。これはこれで運動のパフォーマンスを下げてしまいます。
というわけで体内の水分量と塩分量を適切に保つのは、心肺機能のパフォーマンスを出すのには、もっとも大事なパラメータと言えます。

しばらく前からカフェインを断つだけでも、大分補正されると思います。コーヒー・紅茶だけでなく、コーラなどの飲料にも多量に含まれているので、現代人は基本的に脱水方向にドライブがかかってますから。

一方、「トイレが近くなる」ってことは、水分量はもう十分足りているというサインですね(カフェインを摂取していない場合)。

投稿: Jun | 2009年6月25日 (木) 19時30分

Junさん,
さすが専門.勉強になりました.
体内の水分量・塩分はある程度事前に増やしておけるようですね.
9月のDeath Valleyを走る"Whiteny Classic"のページでは,
"Drink plenty of fluids (two gallons or more), especially the 3 days before the event"とありました.
"Advice On Preparing For An Endurance Event In Extreme Heat"には2日前から塩分も増やしても良いとも(あまりやると心臓に悪い):
http://www.summitadventure.org/downloads/Roget_WC_article.pdf

今回,塩分は使い慣れている電解質錠剤(HammerのEndurolytes)に頼りました.1時間に1錠以上のペースで多量に取ってました.効果はあったのか,痙攣もほぼ起こらず,吐き気に襲われる事もなかったです.

投稿: sagano | 2009年6月25日 (木) 23時54分

さすが!素晴らしい情報です。
カフェインは良くないんですね。気をつけます。
一度JUNさんに講演をお願いしたい。

投稿: ksobue | 2009年6月28日 (日) 13時24分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/150938/30220535

この記事へのトラックバック一覧です: The Terrible Two (前編):

» Chain Lube [シリコンバレー自転車生活]
チェーンのオイル、普段はFinishline Teflon Lube (DRY)を使っています。 写真の真ん中のやつ。 テフロンが入っていて、黒くならず、べとつかず、とても愛用しています。 DRYタイプなので結構頻繁に再注油するけど、べとつかないので古いオイルも簡単にふき取れてよいです。 いつもは行きつけのChain Reaction Bicycleで11ドルで買っているけど、前回はたまたま立ち寄ったSan Mateoの店で10ドルで買ったのが右側のスプレー缶。 同じ大きさだと... [続きを読む]

受信: 2009年6月25日 (木) 01時08分

« Mt. Diablo | トップページ | The Terrible Two (後編) »